今の自分を残したい人、作品の主人公になりたい人、プロの人と一緒にお仕事をしたい人はやる気と誠実さがあれば誰でも美術モデルに応募できます。自分が作品になっていくのは、美術モデルならではの楽しみです。

老若男女、体型、国籍不問です。製作者のイメージする姿にマッチすれば、お仕事の依頼が来ます。妊婦さんがお腹が大きくなっている状態を作品として残したいというのが流行りましたが、何人も需要があるわけではないので、記念として残したい人は、写真スタジオでお金を払って撮ってもらうのが1番確実です。

美術モデルになるには、どんなことが必要なのか少しご紹介していきましょう。

○どういう人達が応募しますか?

役者、雑誌等のモデル、ミュージカル俳優、ダンサー、漫画家志望、イラストレーター志望、美大生、美大出身者、学生、外国人、主婦、主夫、フリーターなどです。自由ですね。

ただし、他の美術モデル事務所や芸能事務所、プロダクションに所属している人は、肖像権と著作権で問題になるので、採用できません。既に辞めている人は、辞めてから最低3ヶ月は空いている必要があります。

最後にお仕事したものが出版等される期間を見越しての期間です。その辺りがクリアになっていないと、みんなが困りますので、きちんと精査してから応募しましょう。

○コンテンポラリーダンスをしている人の応募が多いです

バレエ経験者はさることながら、コンテンポラリーダンスをしている人の応募が増加しています。コンテンポラリーダンスはアンダーグラウンド要素の強いダンスです。

アンダーグラウンドとは、元々は当時の社会へ反発する活動のことを指していましたが、そこに文化が融合し発展したものをいいます。有名どころでは、アングラ(アンダーグラウンド)演劇の代表格で唐十郎の紅テントがトレードマークである状況劇場があります。

コンテンポラリーダンスは森山未來さんがやっているなど、近年メジャーなところで目にする機会もあると思います。他のダンスではしない動きをする特徴があります。例えば、雫が落ちる様子を体で表現しながら踊るというような特異なダンスです。

彼らは見たことがない動きをしてくれるので、制作意欲が湧き、さらにダンサー特有の全身の筋肉を見ることができるので、美術界ではかなり人気高なんです。デッサン会やクロッキー会ではひっぱりだこです。

○筋力と持久力が必要です

試しに、「服を着たままでいいので3分間じっと動かないでください。」

辛いですよね。これで服を脱いでいたら、辛くなってきた時のポーズの見栄えは大丈夫ですか?ぎゅうっと硬い体になっていそうです。手を挙げるとまた辛く、自分との闘いになります。

ポーズの最中、辛い顔をするのはNGです。なるべくプルプルしないでほしいです。慣れるまでポーズ次第でプルプルすることでしょう。そんな厳しいことを言っていますが、あまりにも辛そうだと描いている方が気になって描けないということです。

丹田(下っ腹)に力を入れて意識をするとか、頭の中で歌を歌っているとか、モデルによって集中の仕方はそれぞれですが、日頃から体幹と集中力は鍛えましょう。

姿はもちろん、制作者と気が合うことも作品作りには大切なことなので、挨拶や返事は明るく、爽やかにお仕事ができるように心がけましょう。