浮世絵は江戸時代に始まった木版画です。海外でも浮世絵がブームになっているようで、時代も国をも超えて根強い人気です。

定番の葛飾北斎や歌川国芳などの作品は、現在でも展覧会が開かれたり、文具に印刷されていたりもして、日常生活の中で目にすることがあります。では、現代の浮世絵師は存在するのでしょうか?

日本の伝統文化の技術を継承して後世に伝える人になりませんか?

○伝統を受け継ぐ職人が足りない!

日本におけるどの業界も後継者不足で困っているところが多いと思います。現代では、無理矢理連れてきて今日からこの仕事をしろというわけにもいきません。

後継者が見つからなければ、自分の代で終わらせる選択をするしかなくなります。どんどん職人の人口が減っていって、もう1軒しか存続していない事態になると、そこが終われば世の中から1つ文化が消えてしまいます。

職人の減少は仕事がないことが原因です。ですが近年、仕事を増やして浮世絵を残そうとする団体が立ち上がっています。今まで続いてきたのにはわけがあるんです。誰も真似できない誇れる職人技を受け継ぐ人は、あなたかもしれません。

○浮世絵は3人の職人の力を合わせて作られます

1人じゃないんです。浮世絵の制作には、絵師と彫師と摺師(すりし)で構成されています。現在、浮世絵専門の絵師はいないそうです。

浮世絵とは風俗画です。今を描いた絵なんです。今を描けばいいんです。その発想から、現代美術の仲間入りをしてきています。アーティストとコラボした浮世絵は日本のPOP画のようです。

浮世絵は、職人達の力によって次の担い手に働きかけ進化しています。職人達の高齢化もあり、リアルな技術を勉強できる時間も限られています。

○浮世絵の制作手順を説明しましょう

木版画の錦絵のことをいいます。絵師が下絵として墨で絵を描きます。この絵は線描きです。彫師は、その下絵を裏返しに版木に貼り、主版(おもはん)を彫ります。

主版を墨摺りし絵師に渡し、絵師は各色毎に指示を書き、細かな柄などを描き入れます。絵師の指示通りに彫師は色版を作り、摺師がこれを摺ります。葛飾北斎や歌川国芳などは絵師の名前が残っているだけで、現実は3人の共同制作になります。

○浮世絵はお化けやサスペンスも!案外今でも面白いです

当時の雑誌的感覚だったので、怪談のお話だったり、風刺だったり、どこかに笑いを混ぜているものも多いです。浮世絵といえば春画も多いですが、ただただエロスなわけではなくて、そこにも笑いを潜めていることもあります。

江戸ジョークなのか、シュールな笑いは関東のセンスの基礎なのか、今でも通用する部分があります。デザインのインパクトもかなりのセンスで、現代版が見たいと思ってしまいます。

○浮世絵の継承を支援している団体を幾つかピックアップ

「浮世絵プロジェクト」ロサンゼルスと東京に本社を持つ株式会社三井ミュージック。
「アダチ版画研究所」浮世絵技術を継承する職人集団。
「浮世絵工房」一般社団法人 萌生堂。浮世絵の伝統を継承しながら現代の旬なものとコラボしています。
「国際浮世絵学会」前身が日本浮世絵協会。研究、保存、普及、国際交流を目標にしている。

浮世絵の職人のバトンを繋げて、現代アートの1部として大きく再デビューするのでしょうか!